
カートリッジニードルに関する審議・調査報告
協会に寄せられた「カートリッジニードルに関するお問い合わせ」について審議を行い、その調査結果がまとまりましたので下記のとおりご報告申し上げます。
お問い合わせ内容:
「カートリッジニードルには発がん性のあるガスが付着していると聞きました。このまま使用していて大丈夫なのでしょうか?」
審議内容:
カートリッジニードルは、EOガス(酸化エチレンガス)によって滅菌されており、製品パッケージには「EO GAS
STERILIZED」や「EOガス滅菌済」と明記されています。
最近、一部で誤解や憶測が広まっていることを受け、協会にて確認と調査を行いました。
EOガス滅菌とは:
酸化エチレンガスを使った滅菌方法。主に熱や高圧に弱い素材(プラスチック・ゴム・紙など)の滅菌に使用される。
EOガス滅菌の利点:
熱に弱い製品に適応でき、材質が変形しにくい。また、複雑な構造の器具にもガスが隅々まで行き渡るため、効率的かつ確実に滅菌できる。
EOガス滅菌の欠点:
酸化エチレンガスは毒性が高いため、滅菌後には残留ガスを除去する長時間のエアレーション(残留ガスを放散させる工程)が必要となる。
EOガス滅菌の現状:
材質を選ばず広く滅菌ができるため、世界中の医療現場でもっとも一般的に用いられている。
EOガス滅菌がなければ、生命維持に必要な医療機器(カテーテル、人工心臓弁、複雑な構造の電子機器など)の供給が不可能になる。
国際的な状況分析:
①近年アメリカでは、医療機器の滅菌工場から排出されるEOガスによる周辺住民の長期曝露が社会問題化している。
②長期・継続的な曝露によって発がんリスクが高まる可能性が指摘され、工場周辺の住民と滅菌会社の間で法廷闘争が起きたことから、訴訟によって多額の和解金が発生し、大規模施設が閉鎖にいたる事例が報道されている。
③2024年3月、米国環境保護庁(EPA)は商業用滅菌施設におけるEOガスの国家基準を改訂。また、代替技術の導入を促進する動きも始まっている。
メーカーへの確認:
協会よりカートリッジニードルを製造する大手メーカーに対し、直接確認を行いました。以下がその回答です。
メーカーからの返答:
当社のカートリッジニードルは、すべて医療認定を受けた滅菌施設でEOガス滅菌を実践しています。
滅菌後は、出荷までに約30日間保管され、エアレーションされます。この間に残留ガスはブリスター包装を通して完全に放散されます。出荷時点で製品は滅菌状態を維持しつつ、人体に有害な残留物は残っていません。
当社製品は、アメリカ、ヨーロッパ、南米、日本に輸出するすべてのカートリッジニードルに国際的な安全基準に準拠した状態で輸出しており、CE認証も取得しております。
結論:
EOガス自体は毒性をもつが、滅菌後に十分なエアレーションを行うことで、人体に有害な残留ガスは残らない。
医療機器規格に準じた製品であれば国際的に安全性が認められており、正規流通品のカートリッジニードルを使う限り、施術者やクライアントがEOガスにさらされる危険はない。
EOガス滅菌が問題視されているのは、悪質な医療機器工場による労働者や周辺住民の長期曝露であり、タトゥースタジオにおける使用段階でのリスクではない。
注意事項:
・必ず正規流通品を使用すること。
・信頼できるメーカー・流通ルートから仕入れること。
・粗悪なコピー商品や規格外製品には注意すること。
・滅菌ラベルや使用期限を確認すること。
以上、ご報告申し上げます。
今後も協会では会員の皆様から寄せられるご意見を大切にし、信頼性の高い情報提供に努めてまいります。





