厚生労働省は「顔面にあるシミ・ホクロ・あざなどの部分の皮膚に肌色等の色素を注入する」行為を医業行為に該当すると回答した。
※参照リンク『厚生労働省』
エステサロンにおけるアートメイク、レーザー脱毛、ケミカルピーリングに関して、警察庁から厚生労働省に「これらは医業 行為に抵触するのではないか?」と質問。 厚生労働省は、「電動式アートメイク器具を使用して皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為」などについて、「医業に該当する」 と回答した。
※参照リンク『厚生労働省』
厚生労働省から各都道府県の衛生主菅部に宛てた通知において、厚生労働省は「針先に色素を付けながら、皮膚の表面に 墨等の色素を入れる行為」は「医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17 条に違反する」ことなどを「再度徹底する」 とした。 前年の「医師法上の疑義について」の回答における「電動アートメイク器具を使用して」との表現が、「針先に色素を付け ながら」に修正されている。
※参照リンク『厚生労働省』
内閣府の消費者委員会において、無資格者によるレーザー脱毛、アートメイク、まつ毛エクステンション等の施術が行われ、 健康被害が生じていることが取り上げられた。
※参照リンク『内閣府』 エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議 https://www.cao.go.jp/consumer/iinkaikouhyou/2011/1221_kengi.html
4 月下旬から5 月中旬にかけて、大阪と名古屋のタトゥースタジオ及びアーティスト十数名が警察による家宅捜索を受け、そ の後、医師法違反による逮捕者が複数出る。 そのうち、9 月に医師法違反の罪で在宅のまま起訴された増田太輝さんは、簡易裁判所による罰金30 万円の略式命令を拒 否し、正式裁判を申し立てる。 増田太樹さんは、暴力団関係者との交際及び資金提供はなく、年齢確認も行い、確定申告では職業を『彫師』として申告。 健康被害も出していなかった。12 月に第一回公判前整理手続き終了。
通常国会厚生労働委員会において、タトゥーについての質疑応答が行われた。
そこで「彫師に医師免許を求めるのではなく、タトゥーを業と認めてタトゥー独自の制度を検討するべきではないか?」との 質問に対し、塩崎厚生労働大臣( 当時) は「(皮膚への)侵襲をする、そういう行為であって、当然、保健衛生上の問題が 起こり得る、感染症になる、そういうおそれがあります(が、一方では)文化的な側面もあると考えられるわけで(過去に も柔道整復師などは)それぞれの方々はそれぞれの団体としての声を上げられていろいろ議員立法などがなされたということ も考えてみると、どういうニーズがあるのかということは、当事者あるいは関係者、こういった方々がどういうふうに考えてい るのかということを押さえるとともに(中略)世界でもいろいろ扱いがそれぞれの国によってあるように、それぞれの文化で 対処しているわけでありますから、そこのところは議論を深めていただくということが大事」と回答した。
※参照リンク 厚生労働委員会『国会会議録』
大阪地方裁判所にて、医師法違反を問うタトゥー裁判開始。4 月の初公判より8 月最終答弁を経て、9 月の判決にて「医師 が行わなければ保健衛生上、危害を生ずるおそれのある行為」であるとして罰金15 万円の有罪判決が下される。即日控訴。
大阪高等裁判所にて、9 月控訴審第一回公判、11 月の判決にて逆転無罪。
裁判では、タトゥーは「医師の業務とは根本的に異なる」と医行為には当たらないとし、タトゥーに対する否定的な見方が あることは否定できないとしながらも、タトゥー施術業は、反社会的職業ではなく,正当な職業活動であると明言。
ただし、タトゥーの施術に伴う保健衛生上の危害のおそれという問題に対しては、医師法の医行為を拡張的に解釈してこれ を処罰対象として取り込むのではなく、必要に応じて業界による自主規制、行政による指導、立法上の措置等の規制手段を 検討し、対処するのが相当というべきであるとも言及している。
なお、大阪高等検察庁はこの判決を不服とし、最高裁へ上告。
※参照リンク『裁判所』判決全文
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=88686最高裁判所は、9月16日付で検察側の上告を棄却し、無罪を決定。
裁判官3人全員一致の意見で、タトゥーの施術に医師の免許は必要ないとする司法の判断が確定する。
草野裁判長は、補足意見で「タトゥー施術行為に伴う保健衛生上の危険を防止するため合理的な法規制を加えることが相当であるとするならば、新たな立法によってこれを行うべきである」との見解を示し、加えて「タトゥー施術行為は、被施術者の身体を傷つける行為であるから、施術の内容や方法等によっては傷害罪が成立し得る」とも述べている。
この補足意見は「専門知識のない者がタトゥー施術を行ってはならないこと」「施術者は、施術を受ける者との十分な合意のもとでタトゥー施術を行うべきであること」などを求めるものであり、もし、彫師がこれらの要請に自主的に応えることができないとみなされる場合、厳しい資格要件を設けて法律で制限することもありうると示唆するものである。最高裁は、彫師に対して、真摯に衛生管理に取り組み、その責任を果たすことを要請している。
※参照リンク『裁判所』判決全文
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89717