タトゥーの未 来をつくるすべての人のために 。

ごあいさつ

日本タトゥーイスト協会は、タトゥー施術の安全と衛生管理の周知徹底を図るために設立された業界団体です。

当協会は、タトゥー施術業に対する社会的信頼を確保し、タトゥー産業の健全な発展に寄与すことを目的としています。

タトゥーイストは、顧客の身体に保健衛生上の危険が生じないようにすべき重責を担う仕事です。その責任はビギナーからエキスパートまで等しく果たさなければなりません。

協会のホームページには、タトゥーに携わる誰もが衛生に関する正しい知識を学べるよう「衛生管理ガイドライン」を公開しています。

また、入会をすると「JTA衛生管理オンライン講習」を受講できます。必要な知識を習得するまで何度でもやり直すことができ、受講後には、受講を完了したことを証明する「修了証」が発行されます。

当協会の「衛生管理ガイドライン」および「JTA衛生管理オンライン講習」は、長きにわたり真っ当に仕事をしてきたタトゥーイストたちが当たり前に行ってきたことを基準化したものです。

これから新たにタトゥー施術を始められる方は「衛生管理ガイドライン」を読んだうえで、開業前に「JTA衛生管理オンライン講習」受講されることを奨励します。

当協会の設立の発端は、2015年にタトゥーイストが医師免許なしに客にタトゥーを施術したとして医師法違反の罪に問われたことでした。
2020年に最高裁判所で「無罪」が確定したことは大変に喜ばしいことでしたが、またいつ常識に反した規制を強いられるかもわかりません。

さらに、法律・条例・規則などの社会で定められたルールを守る「法令遵守」についても、新規参入される方たちへの周知が不可欠です。法令遵守は、協会規約の基本原則です。

また、広い意味での「法令遵守」に通じるところですが、タトゥーイストは顧客との間で確固たる信頼関係を築いたうえで施術を行うことが必須であるのはいうまでもありません。信頼関係を確保する方策の一つとして、会員専用ぺージでは、タトゥー施術に特化した「誓約書」をダウンロードできるようにしています。

タトゥーという古来からの身体表現は、人類の歴史と共に歩んできた個人のアイデンティティの礎となりうるものであり、アートの一つです。その文化的な価値と個々の表現力を尊重し、発展させていくことが現代を生きる我々の使命です。

当協会は、厚生労働省をはじめとする行政機関、ならびに関係団体と協動しながら課題を解決すべく、業界内の意見を集約して表明することのできる業界団体として活動していきたいと思います。

今後もタトゥーに対する世間一般の認識をより良い方向へと導き、タトゥーイストが技術と倫理の両面で高い基準を保ち続けられるようサポートし続けてまいります。皆様のご支援とご協力を、心よりお願い申し上げます。

沿革

日本タトゥーイスト協会設立までの経緯
1989 年

厚生労働省は「顔面にあるシミ・ホクロ・あざなどの部分の皮膚に肌色等の色素を注入する」行為を医業行為に該当すると回答した。

※参照リンク『厚生労働省』

  • ・医師法上の疑義について( 平成01 年06 月07 日医事第35 号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta0950&dataType=1&pageNo=1

2000 年

エステサロンにおけるアートメイク、レーザー脱毛、ケミカルピーリングに関して、警察庁から厚生労働省に「これらは医業 行為に抵触するのではないか?」と質問。 厚生労働省は、「電動式アートメイク器具を使用して皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為」などについて、「医業に該当する」 と回答した。

※参照リンク『厚生労働省』

  • ・医師法上の疑義について 照会 ( 平成12 年05 月18 日警察庁丁生環発第110 号)
  • ・医師法上の疑義について 回答 ( 平成12 年06 月09 日医事第59 号)
https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta0950&dataType=1&pageNo=1

2001 年

厚生労働省から各都道府県の衛生主菅部に宛てた通知において、厚生労働省は「針先に色素を付けながら、皮膚の表面に 墨等の色素を入れる行為」は「医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17 条に違反する」ことなどを「再度徹底する」 とした。 前年の「医師法上の疑義について」の回答における「電動アートメイク器具を使用して」との表現が、「針先に色素を付け ながら」に修正されている。

※参照リンク『厚生労働省』

  • ・医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて
各都道府県衛生主管部( 局) 長あて厚生労働省医政局医事課長通知( 平成13 年11 月8 日医政医発第105 号) https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00ta0950&dataType=1&pageNo=1

2011 年

内閣府の消費者委員会において、無資格者によるレーザー脱毛、アートメイク、まつ毛エクステンション等の施術が行われ、 健康被害が生じていることが取り上げられた。

※参照リンク『内閣府』 エステ・美容医療サービスに関する消費者問題についての建議 https://www.cao.go.jp/consumer/iinkaikouhyou/2011/1221_kengi.html

2015 年

4 月下旬から5 月中旬にかけて、大阪と名古屋のタトゥースタジオ及びアーティスト十数名が警察による家宅捜索を受け、そ の後、医師法違反による逮捕者が複数出る。 そのうち、9 月に医師法違反の罪で在宅のまま起訴された増田太輝さんは、簡易裁判所による罰金30 万円の略式命令を拒 否し、正式裁判を申し立てる。 増田太樹さんは、暴力団関係者との交際及び資金提供はなく、年齢確認も行い、確定申告では職業を『彫師』として申告。 健康被害も出していなかった。12 月に第一回公判前整理手続き終了。

2016 年

通常国会厚生労働委員会において、タトゥーについての質疑応答が行われた。

そこで「彫師に医師免許を求めるのではなく、タトゥーを業と認めてタトゥー独自の制度を検討するべきではないか?」との 質問に対し、塩崎厚生労働大臣( 当時) は「(皮膚への)侵襲をする、そういう行為であって、当然、保健衛生上の問題が 起こり得る、感染症になる、そういうおそれがあります(が、一方では)文化的な側面もあると考えられるわけで(過去に も柔道整復師などは)それぞれの方々はそれぞれの団体としての声を上げられていろいろ議員立法などがなされたということ も考えてみると、どういうニーズがあるのかということは、当事者あるいは関係者、こういった方々がどういうふうに考えてい るのかということを押さえるとともに(中略)世界でもいろいろ扱いがそれぞれの国によってあるように、それぞれの文化で 対処しているわけでありますから、そこのところは議論を深めていただくということが大事」と回答した。

※参照リンク 厚生労働委員会『国会会議録』

2017 年

大阪地方裁判所にて、医師法違反を問うタトゥー裁判開始。4 月の初公判より8 月最終答弁を経て、9 月の判決にて「医師 が行わなければ保健衛生上、危害を生ずるおそれのある行為」であるとして罰金15 万円の有罪判決が下される。即日控訴。

2018 年

大阪高等裁判所にて、9 月控訴審第一回公判、11 月の判決にて逆転無罪。

裁判では、タトゥーは「医師の業務とは根本的に異なる」と医行為には当たらないとし、タトゥーに対する否定的な見方が あることは否定できないとしながらも、タトゥー施術業は、反社会的職業ではなく,正当な職業活動であると明言。

ただし、タトゥーの施術に伴う保健衛生上の危害のおそれという問題に対しては、医師法の医行為を拡張的に解釈してこれ を処罰対象として取り込むのではなく、必要に応じて業界による自主規制、行政による指導、立法上の措置等の規制手段を 検討し、対処するのが相当というべきであるとも言及している。

なお、大阪高等検察庁はこの判決を不服とし、最高裁へ上告。

※参照リンク『裁判所』判決全文

https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=88686
2020年

最高裁判所は、9月16日付で検察側の上告を棄却し、無罪を決定。
裁判官3人全員一致の意見で、タトゥーの施術に医師の免許は必要ないとする司法の判断が確定する。

草野裁判長は、補足意見で「タトゥー施術行為に伴う保健衛生上の危険を防止するため合理的な法規制を加えることが相当であるとするならば、新たな立法によってこれを行うべきである」との見解を示し、加えて「タトゥー施術行為は、被施術者の身体を傷つける行為であるから、施術の内容や方法等によっては傷害罪が成立し得る」とも述べている。

この補足意見は「専門知識のない者がタトゥー施術を行ってはならないこと」「施術者は、施術を受ける者との十分な合意のもとでタトゥー施術を行うべきであること」などを求めるものであり、もし、彫師がこれらの要請に自主的に応えることができないとみなされる場合、厳しい資格要件を設けて法律で制限することもありうると示唆するものである。最高裁は、彫師に対して、真摯に衛生管理に取り組み、その責任を果たすことを要請している。

※参照リンク『裁判所』判決全文
https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=89717

定款

一般社団法人日本タトゥーイスト協会
第1章 総則
(名称)
第1条 当法人は、一般社団法人日本タトゥーイスト協会と称し、英文では Japan Tattooist Association と表示する。
(主たる事務所)
第2条 当法人は、主たる事務所を東京都中央区に置く。
(目的)
第3条 当法人は、タトゥー施術に関する安全・衛生管理の徹底を通じタトゥー施術業に対する社会的信頼を確保し、タトゥー産業を健全に発展させるこ
とを目的し、その目的に資するために次の事業を行う。
1 タトゥー施術に関する安全・衛生管理基準の策定
2 タトゥー施術に関する安全・衛生管理の指導
3 タトゥー施術者に対する必要な情報の提供
4 タトゥー産業の健全な発展に向けた情報発信、市場調査、企画提案
5 主管行政庁の対する協力及び連携
6 上記各号に付帯関連する一切の事業
(公告の方法)
第4条 当法人の公告は、官報に掲載する方法により行う。
(機関の設置)
第5条 当法人は、理事会を設置し監事を置く。
第2章 社員
(構成)
第6条 当法人の社員は、次の2種とし、正会員および事業会員をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律上の社員とする。
(1)正会員 当法人の目的に賛同し、議決権を有する個人
(2)事業会員 当法人の目的に賛同し、議決権を有する、タトゥーに関する事業を営む法人または個人
(入社)
第7 条 当法人の社員になろうとする者は、別に定めるところにより申込みをし代表理事の承認を受けなければならない。
(経費の負担)
第8条 当法人の社員は、社員総会において別に定める入会金及び会費を納入しなければならない。
(社員の資格喪失)
第9条 社員が次の各号のいずれかに該当する場合には、社員としての資格を喪失する。
(1)退社したとき。
(2)社員が死亡、解散又は破産したとき。
(3)成年被後見人又は被保佐人となったとき。
(4)総正会員及び事業会員が同意したとき。
(5)除名されたとき。
(6)継続して1 年以上会費を滞納したとき。
2 当法人は、社員がその資格を喪失しても、既納の入会金、会費、その他拠出金品等は、これを返還しない。
(退社)
第10 条 社員は、いつでも退社することができる。ただし、やむを得ない事由がある場合を除き、1か月以上前に当法人に対して予告するものとする。
(除名)
第11 条 社員が次のいずれかに該当するに至ったときには、社員総会の決議によって当該社員を除名することができる。
(1)この定款その他の規則に違反したとき。
(2)当法人の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為をしたとき。
(3)その他除名すべき正当な事由があるとき。
第3章 社員総会
(構成)
第12 条 社員総会は、全ての正会員及び事業会員をもって構成する。
(権限)
第13 条 社員総会は、次の事項について決議する。
(1)社員の除名
(2)理事の選任又は解任
(3)理事の報酬等の額又はその基準の決定
(4)各事業年度の決算報告の承認
(5)定款の変更
(6)解散及び残余財産の処分
(7)その他当法人に関する一切の事項
(開催)
第14 条 当法人の社員総会は、定時社員総会及び臨時社員総会とし、定時社員総会は、毎事業年度の終了後3か月以内に開催し、臨時社員総会は必要
に応じて開催する。
(招集)
第15 条 社員総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、理事の過半数の決定に基づき代表理事がこれを招集する。代表理事に事故又は支障がある
ときは、あらかじめ理事の過半数をもって定めた順序により、他の理事がこれを招集する。
2 社員総会を招集するには、会日の1週間前までに、書面投票又は電子投票を認める場合は会日の2週間前までに、各社員に対して招集通知を発するも
のとする。 ただし、社員の全員の同意があるときは、書面投票又は電子投票を認める場合を除き、招集手続を経ずに社員総会を開催することができる。
3 前項の招集通知は、書面投票又は電子投票を認める場合を除き、書面ですることを要しない。
(招集の請求)
第16 条 総社員の議決権の10分の1以上を有する社員は、代表理事に対し、社員総会の目的である事項及び招集の理由を示して、社員総会の招集を請
求することができる。
(議長)
第17 条社員総会の議長は代表理事がこれに当たる。
2 代表理事に事故又は支障がある場合には、あらかじめ定めた順序により、他の 理事がこれに当たる。
3 理事全員に事故又は支障がある場合には、当該社員総会において正会員及び事業会員の中から選出する。
(議決権)
第18 条 正会員及び事業会員は、社員総会において、各1個の議決権を有する。
(決議)
第19 条 社員総会の決議は、法令又はこの定款に別段の定めがある場合を除き、社員の議決権の過半数を有する正会員及び事業会員が出席し、出席し
た当該正会員及び事業会員の議決権の過半数をもって行う。
2 前項の規定にかかわらず、次の決議は、特別決議として、総正会員及び事業会員の半数以上であって、総正会員及び事業会員の議決権の3分の2以上
に当たる多数をもって行う。
(1)社員の除名
(2)定款の変更
(3)解散
(4)その他法令で定められた事項
3 社員総会に出席できない社員は、あらかじめ通知された事項について、書面又は電磁的方法をもって議決し、又は他の社員を代理人として議決権の行
使を委任することができる。書面又は電磁的方法をもって議決し、又は他の社員を代理人として議決権の行使を委任した社員は、社員総会に出席したもの
とみなす。
(議事録)
第20 条 社員総会の議事については、法令の定めるところにより議事録を作成し、社員総会の日から10年間主たる事務所に備え置く。
第4章 役員
(役員の設置)
第21 条 当法人に、理事を3 名以上7 名以内置く。
2 理事のうちから、代表理事1名を定める。
(役員の選任)
第22 条 理事は、社員総会の決議によって選任する。
2 代表理事は、理事の互選によって定める。
(理事規約)
第23 条 理事の選任に当たり以下の規約を定める。
(1)協会員である事(監事又は会計監査人を除く)
(2)適切に税務申告し納税していること
(3)過去10 年の期間に罰金以上の刑に処せられた前歴がないもの
(4)秘密保持契約書を結ぶこと
(5)毎月の理事会への出席
(6)理事会の承認なく政治活動をしない事
(理事の職務及び権限)
第24 条 理事は、法令及びこの定款の定めるところにより、その業務を執行する。
2 代表理事は、当法人を代表し、その業務を統括する。
(役員の任期)
第25 条 理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会終結の時までとする。
2 増員により又は補欠として選任された理事の任期は、他の在任理事又は前任者の任期の満了する時までとする。
3 理事は、第21 条第1項に定める定数に足りなくなるときは、任期の満了又は辞任により退任した後も、
新たに選任された者が就任するまで、なお理事としての権利義務を有する。
(解任)
第26 条 理事は、社員総会の決議によって解任することができる。
(報酬)
第27 条 理事の報酬、賞与その他の職務執行の対価として当法人から受ける財産上の利益は、社員総会の決議をもって定める。
第5章 計算
(事業年度)
第28 条 当法人の事業年度は、毎年1 月1日から翌年12 月31 日までの年1期とする。
(事業計画及び収支予算)
第29 条 当法人の事業計画及び収支予算については、毎事業年度開始日の前日までに代表理事が作成し、社員総会の承認を受けなければならない。こ
れを変更する場合も同様とする。
2 前項の規定にかかわらず、やむを得ない理由により予算が成立しないときは、代表理事は、予算成立の日まで前年度の予算に準じ収入支出することがで
きる。
3 前項の収入支出は、新たに成立した予算の収入支出とみなす。
(事業報告及び決算)
第30 条 当法人の事業報告及び決算報告については、毎事業年度終了後、代表理事が次の書類を作成し、定時社員総会に提出し、第1号の書類につい
てはその内容を報告し、第2号及び第3号の書類については承認を受けなければならない。
(1)事業報告及びその附属明細書
(2)貸借対照表及びその附属明細書
(3)損益計算書(正味財産増減計算書)及びその附属明細書
2 前項の規定により報告され、又は承認を受けた書類のほか、定款及び社員名簿を主たる事務所に備え置くものとする。
第6章 定款の変更及び解散
(定款の変更)
第31 条 この定款は、社員総会の決議によって変更することができる。
(解散)
第32 条当法人は、社員総会の決議その他法令で定められた事由により解散する。
(残余財産の帰属)
第33 条 当法人が清算する場合において有する残余財産の帰属は、清算法人の社員総会の決議をもって処分を決定する。